Dentalism No.21
31/36

図16図17図18図19図20図22図21審美領域における歯周組織およびインプラント周囲組織のマネジメント③補綴 インプラント周囲軟組織が成熟および安定するまで、インプラント上にスクリュー維持型のプロビジョナルクラウンを6か月間維持した。この間、審美性の改善のために光重合型のコンポジットレジンでクラウンの形態、カントゥア、アウトラインを数回修正している(図16)。適切なインプラント埋入位置により、最適な歯肉縁下のカントゥアを確立することができた(図17)。 次に、暫間補綴物によって作られた移行ゾーンの形態を取り込むため、カスタム・インプレッションコーピングが行われた。最終修復物にはCAD/CAMジルコニアアバットメントを選択し、ストローマン社製のCAD/CAMシステム「CARES」を用いてフレームワークを制作した(図18、19)。スクリューアクセスの位置によりワンピースの修復物を使用することができた。アバットメントはプレッサブルセラミックスで積層した。 試適をして技工室で色の修正を行った後、最終クラウンを患者の口腔内に設置し、35N㎝の力で締め付けた。アクセスホールはガッタパーチャと光重合コンポジットレジンで封鎖した。 上顎右側中切歯の補綴は、歯根破折のリスクを軽減するために長めのゴールドポストを使用した。同様の理由から、ゴールドアバットメントの口蓋側を形成し、ジルコニアのフレームワークとプレッサブルセラミックスのための1.5〜2.0㎜のスペースを作ることが不可欠であった。最終目標は、前方運動時の干渉を回避することにあった。■結論 この症例における外科的および補綴的課題は、インプラント部位におけるさまざまな歯性および骨格性の左右非対称性と骨欠損が存在していたにもかかわらず、上顎中切歯に対して自然なスキャロップ形状の粘膜縁を作り、クラウンによって良好な審美的結果を得ること。最も重要だったのは、上顎左側中切歯のインプラント周囲と上顎右側中切歯の歯根周囲の術後の硬組織および軟組織のリモデリングに関する知識であった。 上顎右側中切歯の歯根を温存したことの利点は、隣接面の小さな骨の骨頂を温存することであり、その骨によってインプラント近心の歯間乳頭の支持を得ることができた。さらにこのアプローチは、クラウンの自然な見栄えを提供する上で非常に有用であった(図20、21)。術後2年目のフォローアップ時のデンタルX線像は、インプラント周囲の安定した辺縁骨レベルを示している(図22)。著者紹介Riccard Verdecchia(歯学博士)イタリア・ローマで歯科医院を開くペリオ、インプラント、固定性補綴の専門歯科医。国際口腔インプラント学チーム(ITI)やイタリア・ぺリオ・インプラント学会の会員。電子メール: riccardoverdecchia@hotmail.com

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です