Dentalism No.21
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図9図12図15図10図13図11図14図7図8■手技①1次外科手術 6週間後、歯周外科手術とインプラント埋入手術を行った。インプラント埋入部位を歯槽頂切開し、この段階で上顎右側1番の口蓋側および唇側にスキャロップ形状の切開線を入れた。 その後、先に述べたa、bの目的を達成するため、歯根部位の唇口蓋的骨切りを実施。小さな隣接面の骨頂は慎重に扱い温存した(図7)。続いて、ストローマン社製「ボーンレベルインプラント」(直径4.1㎜、SLActive 12㎜)1本を上顎左側1番の三次元的に正しい位置に埋入した(図8)。 自家骨の骨片を局所から採取し、この骨片で裂開していた部位を被覆。唇側骨の外側表面にオーバーカントゥアになるようにストローマン社製「ボーンセラミック」(400〜700㎛)を使用した。 GBRの原則に基づき、グラフト材は非架橋型のコラーゲンメンブレンで覆った(図9)。メンブレンの安定性を向上させるため、ダブルレイヤーテクニック(吸収性膜を二重に置く方法)を用いた。メンブレンは、いったん血液を吸収すると容易に歯槽骨頂に適合できるので、追加の固定は必要なかった。 歯肉弁の基底部の骨膜に減張切開を入れることで、水平マットレス縫合により緊張をかけずに創の初期封鎖を得ることができた(図10)。 オベートポンティック基底面が下部組織に圧を加えないように削合し、プロビジョナルブリッジを再度セメント固定した(図11)。②2次外科手術 プロビジョナルブリッジが安定していたので、歯槽骨のリモデリングにより歯槽頂のカントゥアが平らになるまで長い期間(4カ月)を置くことができた。 上顎左側中切歯部位の水平的なわずかのギャップは、ロールフラップ法で十分補正できると考えた(図12、13)。同時に、上顎右側中切歯の黒変した歯根を隠すため、きわめて薄い(1㎜以下)結合組織移植片を上顎小臼歯の口蓋部位から採取し、骨膜上に形成したパウチにトンネル法で挿入した(図14、15)。 いずれの外科的処置でも必要と考えられなかった歯冠乳頭の垂直切開は、回避することができた。

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