Dentalism No.21
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鈴木公子(すずき・きみこ)1959年新潟県出身。日本歯科大学新潟歯学部卒業後、長岡市関歯科医院勤務を経て、1986年柏崎市にひまわり歯科医院を設立。子供の頃より多くの病気を患い入退院を繰り返す。歯科医師となった後、食事療法との出会いにより病気を克服。歯と食事のこと、噛むことの大切さなどについて診療や講演、講習会を通じて広く伝えている。どぜうの丸煮600円や、さくら(馬肉)さしみ赤身1300円など、押さえておきたい人気メニューがずらり。公子先生のお気に入りのぜんまい煮付と漬物もありました。これも押さえておきたい昔ながらの味。あなご煮付500円と、どぜう柳川なべ800円。八海山や出羽桜、南部美人、九平治、獺祭など、人気の日本酒は何れも1合750円。伝多朗 先生と食養との出会いはいつ頃だったのでしょうか。鈴木 退院後、勤務させていただいた長岡市の関正一郎先生から紹介された食養の大塚誠之輔先生との出会いです。半信半疑で「私のアトピー治りますか?」と尋ねたところ「簡単だよ。砂糖と卵と牛乳を3カ月止められる?」と返ってきた。何をやってもダメだったのに実践してみたところ、意に反して3カ月後には肌がツルツルに。ああ、病気って医者じゃなくて自分で治すものなんだ! と、その時開眼しました。 それからが私の食養の旅の始まりです。本を読んでセミナーに行って、マクロビを勉強して、ビーガン(完全菜食)も3年やりました。最終的に私の病気の元凶は砂糖でした。それを止めれば止めるほど、どんどん体調は良くなる。食事がこんなに関係しているなら、もっと多くの人に伝えようと、自院の患者さんはもちろん、学校や幼稚園、保育園、公共の施設などにお願いして講演させてもらっていました。 やがて幕内秀夫先生の目にとまり、一緒に講演させていただくことに。多いときは年間60〜70回は全国各地で講演していましたね。伝多朗 幕内秀夫さんとの共著に『給食のちから―完全米飯給食が子どもの健康を守る』(風濤社)がありますね。鈴木 末期の患者さんばかりを診ていても病気は減らない、そうならないような食事を子どもの頃から伝えようと、15年前に「学校給食と子どもの健康を考える会」を発足させました。新潟県では8年前から三条市が、6年前から新潟市でも完全米飯給食が実施され全国各地にも広がってきています。年間200食の給食で日本が世界に誇る和食を子どもたちに食べさせるということが、どれほど凄いことなのか、なぜ必要なのかを、これからもっと伝えていこうと思っています。伝多朗 公子先生は、多くの歯科医師に影響を与えた故・片山恒夫先生の薫陶も受けておられるそうですね。鈴木 卒業後すぐに片山セミナーに参加しました。随分叱られましたが、15回以上は参加しました。日本の女性歯科医師の中で最も多く参加していると思います。「抜かずに治す、手術せずに治す、食事で治す」という考えを私は片山先生から学びました。 先生と最後に話したのは、亡くなられる10日ほど前にいただいた電話でした。「日本の食育は君にまかせるから、歯科医として食のことはきちんとやりなさい」と言われたことが、ずっと心に残っています。歯科医師が食事指導できる時代が来ることを信じて日々奮闘する公子先生は、今も病気と闘っている身であることを感じさせないパワーで思いの丈を語り、最終の新幹線で患者さんが待つ新潟へと戻って行かれたのでした。

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