Dentalism No.21
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海千山千だから修羅場でもひるまない。ひるむと依頼者にも伝わるし、相手にもなめられる。そうじゃなきゃ東京電力とケンカなんてできないよね。――歯科に関する依頼主はいらっしゃいますか?河合 美容整形などと一緒に歯科も含めて多角経営している顧問先もあれば、複数の歯科医院を運営している顧問先もあります。逆に、患者さんの代理人として歯科医院の医療過誤を追求するケースもあります。だから、攻め口も守り口も両方心得ていますよ(笑) 歯科業界の中には、とにかく治療費が上がればいいと、無理な治療をする人もいないではない。でも基本的には「患者ファースト」であることが大切。患者さんのためを思い、きちんとした倫理観を持ち、誠実に責任感を持ってやっていただくというのが大前提ですよね。――依頼主の要望があれば、どんなケースでもサポートするものなのでしょうか。判断が難しい局面はありませんか?河合 患者の中には思い込みが激しくて、歯科医が悪くないのに、悪い悪いと騒ぎ立てるような人もいます。そういう時は、「僕も、よく話を聞いてみたけど、この歯医者さんは悪いと思えないんだよね」と言って断ることもありますし、逆に、歯医者さんが相談にみえて、話を聞いてみて問題があると感じれば「やっぱり患者さんに謝罪して、保険で支払うなり、足りない分は足し増しするなりして和解した方がいい」と勧めることもありますよ。 医療現場では、損害賠償責任保険に入っていて、その範囲でできないことというのは稀です。ただ歯科の場合は少し複雑で、むし歯だけを治療をすればいいというわけではなく、矯正や、美容・審美、インプラントなど、いろんなニーズがある。失敗した時に深追いしすぎて、もっとこじれていくという事例がある。特にインプラント絡みかな。 ちゃんとしたお医者さんというのは、大学といい関係にあったり、仲間同士で勉強会をしていたりするので、技術と誠意を持ってやっていれば、大きな問題はないはずなんですけどね。――事務所運営や脱原発運動など、物理時間的にも精神的にもストレスが多い仕事ではないかと思うのですが、趣味(前述の六本木男声合唱団倶楽部など)に時間やエネルギーを割くのは大変ではないでしょうか?河合 僕はハーレーのトライク(オート三輪)にも乗るし、能(観世流)もやってる。能はJBC(日本ビジネス協会)の能部会でやっているんだけど、今度、シテ方として国立能楽堂で『菊慈童』を舞うことになっている。野村萬斎さんに客演してもらってね。10年早いと言われるんだけど、そこは金とコネにものを言わせて(笑) でも実際にお金はかかります。国立能楽堂の賃借料もあるし、御役料もかかる。地謡やお囃子、後見を務めて下さるプロの方々には、師匠に包んいただかなきゃいけないし。中には人間国宝級の方もいらっしゃる。まぁ、旦那芸の一つだね。弁慶の『安宅』とかになると、御役料だけでウン百万。そういうものなんだよね。 でも一番お金がかかるのは、やっぱり脱原発運動かな。だって、原発の差し止め裁判というのは、勝っても一円もお金は入ってきませんからね。時々、交通費を払ってくれる団体もありますけどね。 ああ、一度だけ函館市が大間原発の建設差し止め訴訟を起こす際に、弁護団として初めて着手金をいただきましたが、本当にそれだけ。今、建設中の大間原発は海を隔てて対岸だから、あれは函館市も怒りますよ。――仕事以外にも、能楽、合唱団、お洒落、ハーレーと、いろんなことに次々と挑戦し楽しんでいらっしゃいますが、今後、新たに挑戦したいことはありますか?河合 日本中の原発が全部止まったら、世界中をクルーズで巡ってみたいなぁ。死ぬまでに止まってくれないと困るな(笑) あと、英語を話せるようになりたい。原発の問題を世界に発信したいから。脱原発の話だけでも英語で話せるようにならないと。 ドキュメンタリー映画『日本と原発』は、既に全国で450回以上も上映され、北は稚内から南は沖縄まで行っています。ぜひ多くの人に観ていただきたいですね。今、続編を作るという話が出ています。原発がダメなら何がいいんだ? という話をしなきゃいけないでしょ。だから、日本と世界の自然エネルギーについて、ね。 信条は「気宇壮大」。 その言葉通りのスケールを見せつけて下さった河合弘之弁護士。彼のもう一つの信条は「本気ですれば大抵のことができる。本気ですれば何でも面白い。本気でしていると誰かが助けてくれる」である。特別企画 デンタリズム 異業種インタビューさくら共同法律事務所さんへご相談希望の際はCiメディカルよりご紹介させていただきます。お問い合わせはCiメディカル(076-278-8800)法務担当まで。

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