Dentalism No.20
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16天然歯と同等の歯周組織を有する次世代型口腔インプラントの実証に成功。日本にインプラント治療が導入されて約30年以上、技術の向上により普及が進んできた。しかし、天然歯のような生理的な移動が不可能という課題がある。また、インプラント体の破損や周囲炎による重度の歯槽骨吸収も問題視されていることも確かだ。東京理科大学(現所属 理化学研究所 多細胞システム形成研究センター)の辻孝教授と岡山大学の大島正充助教らの研究グループは、セメント質や歯根膜など天然歯と同等の歯周組織を有する「バイオハイブリッドインプラント」を開発。マウスを使った実験では、歯科矯正学的な移動や神経伝達など歯の生理機能を再現し得る可能性を実証した。歯根と同等の機能回復をはかれる次世代型の口腔インプラント治療の実現に期待がかかっている。これまで、インプラント治療によって噛む力は回復するが、歯周組織のような神経がないため、噛む際の衝撃を和らげられなかったり、痛みを感じにくかったりという弊害があった。しかし、この「バイオハイブリッドインプラント」では、神経機能まで回復させるため、自然な噛み心地を取り戻すことができ、食事の満足度の向上にも繋がる可能性が大きい。辻教授によると、今後は犬などの大型動物でも実験を重ね、5年後には人間への応用を目指すとのこと。今回の研究結果により、歯だけでなく、目や内耳、腕など、現在研究が行われている様々なバイオハイブリッド人工器官の可能性を示すこととなりそうだ。東京理科大学 (現所属 理化学研究所)辻孝 教授岡山大学大学院医歯薬学総合研究科大島正充 助教■バイオハイブリッドインプラント の移植による歯槽骨再生効果マウスの顎骨に骨欠損モデルを作製し、バイオハイブリッドインプラントを移植。その結果、インプラント体の脱落や沈下などもなく、歯槽骨の垂直的再生が可能であることが明らかとなった。(本) 12歳の永久歯のむし歯の本数が一人あたり平均1本で過去最少に。文部科学省の2014年度学校保健統計調査(速報値)によると、12歳の永久歯のむし歯本数は一人当たり平均1本となり、調査開始以来、最も少ない結果となった。過去にむし歯になったことがある割合も、全年代で90%を超えていた70〜80年代から順調に下がり、38・4〜53%まで減少した。昭和59年度に一人あたり4・5本あったものが1本に。約5分の1となった。文部科学省はこの結果を、「歯磨き指導の成果で、早期治療や予防の意識が高まった」と分析している。幼稚園や小学校時のフッ化物洗口の励行や給食後に実施する歯みがき、デンタルフロスを用いた保健指導によるところが大きい。また、親世代の意識、知識の向上も要因の一つだろう。ただ、年齢別のむし歯のある者の割合をみてみると、12歳が一番低く、その後は上がっていく傾向にある。この1本という数字は乳歯から永久歯に生えかわる過程で、むし歯も一緒に抜けてしまうということも大きいだろう。12歳を過ぎると徐々に親が子供の口腔内環境を気にすることが少なくなっていく。また、中学、高校生は勉強や部活動で忙しくなり、定期的に歯科医院に行くことが難しくなる。その後のことを考えると、永久歯が生えて間もないこの時期のむし歯予防が重要だろう。■中学校におけるむし歯(う歯)の被患率等の推移■12歳の永久歯の一人当たり平均むし歯(う歯)等数10.020.030.00.00.01.02.03.04.05.06.0(本)(年度)(%)40.050.060.070.080.090.0100.0昭和56年平成61626中学校におけるむし歯のある者の割合12歳における永久歯のむし歯等数4.001.914.7592.2487.7464.6142.371.00区分昭和59年度平成6162223242526計4.754.001.911.291.201.101.051.00喪失歯数0.050.040.030.030.020.020.020.02(う歯)むし歯計4.703.951.881.271.181.081.030.99処置歯数3.352.821.250.810.760.690.660.64未処置歯数1.351.140.620.460.410.390.370.35■ 12歳における永久歯のむし歯等数   中学校におけるむし歯のある者の割合文部科学省 2014年度学校保健統計調査(速報値)文部科学省 2014年度学校保健統計調査(速報値)

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